「NISAで実際に儲かっている人はどれくらいいるの?」「自分も利益を出せるだろうか?」そんな疑問をお持ちではないでしょうか。新NISAが2024年にスタートして以来、金融庁の公表資料ではNISA口座数は2,800万口座規模に達しており、多くの人が資産形成に取り組んでいます。本記事では、金融庁が公表する口座数・買付額のデータと、各種アンケート調査(自己申告)の結果をもとに、NISAで「運用損益がプラス」と回答した人の割合の傾向や、儲かっている人の共通習慣、損してしまう人のパターンまでわかりやすく解説します。
【結論】NISAで「利益が出ている」と回答した人は約7割〜9割弱(調査による)

結論から言うと、NISA利用者のアンケート(自己申告)では「運用損益がプラス」と回答した人が7割前後〜9割弱という結果が見られます。
ただし、これは金融庁が公表する「口座の損益データ」ではなく、主に民間調査や業界団体のアンケート(自己申告)による数値です。また、調査によっては「損益がわからない/把握していない」という回答も一定数含まれるため、数字は“目安”として捉えることが重要です。
もちろん「割合が高い=誰でも必ず儲かる」ではありません。損失を出している人が一定数いることも事実であり、その違いがどこにあるかを理解することが重要です。
金融庁データで確認できるのは「口座数・買付額」(損益ではない)
金融庁が公表している「NISA口座の利用状況に関する調査結果(速報値)」によると、2025年12月末時点でNISA口座数は2,825万5,664口座に達しています。また、同資料では年間の新規買付額も公表されており、約18兆円規模となっています。
参考:金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について(2025年12月末時点・速報値)」
一方で、「利用者が黒字かどうか(損益)」は金融庁の同資料だけでは直接わかりません。損益(プラス/マイナス)の割合は、主にアンケート調査(自己申告)によって把握されます。
参考:日本証券業協会「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」
参考:QUICK「個人の資産形成に関する意識調査2025」(新NISA利用者の運用損益の自己申告)

また、投資は短期では上下に揺れます。金融庁の資料でも、長期・積立・分散投資はリスク低減につながりやすいことが示されています。したがって、損益の“勝ち負け”を短期間で断定せず、中長期の視点で判断することが大切です。
つみたて投資枠と成長投資枠で「損益の出方」は変わりやすい
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類があり、それぞれ投資対象や運用スタイルが異なるため、損益の出方にも違いが生じやすくなります。
つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託が対象です。定額を毎月積み立てる仕組みにより、購入タイミングを分散しやすく、結果として値動きのブレを抑えやすい傾向があります。
成長投資枠は個別株やETF、幅広い投資信託に投資できる反面、商品選択の自由度が高い分だけ値動きも大きくなり得ます。特に個別株に集中すると、銘柄要因で大きく上下することがあるため、投資スタイルによって損益の振れ幅は変わります。
なお、新NISAの年間投資枠はつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円、合計360万円が上限となっており、生涯投資枠は1,800万円(成長投資枠は最大1,200万円)に設定されています。
参考:新NISAの上限額・限度額は?年間投資枠や成長投資枠について(SBI証券)
新NISA開始後(2024年〜2026年)の利用状況(口座数・買付額)
金融庁の公表資料では、2025年6月末時点でNISA口座数は2,696万口座、買付額は累計63兆円となっています。
市場環境は年によって変動しますが、NISAは非課税のメリットを長く活かせる制度です。短期の値動きに振り回されず、長期・積立・分散という基本方針を守ることが、資産形成では重要になります。
参考:2026年、新NISA「3年目の崖」で求められる投資戦略の再考(東洋経済)

【運用期間別】NISAで利益が出やすくなる考え方(短期はブレやすい)

NISAでプラスになれるかどうかは、運用期間の長さが重要な要素の一つです。
株式市場は短期では上下に揺れますが、長期になるほど値動きのブレが均されやすくなります。金融庁の資料でも、長期・積立・分散投資がリスク低減につながりやすいことが示されています。
運用1年未満:損益がプラス・マイナスに分かれやすい
運用を始めてから1年未満の短期では、相場の上げ下げの影響を受けやすく、含み益の人もいれば含み損の人もいます。
短期でマイナスでも、それだけで「失敗」と決めつける必要はありません。積立投資は続けるほど購入価格が平準化しやすいため、焦らず方針を守ることが大切です。
運用1〜3年:積立の効果が見え始める
積立投資の場合、複数の価格帯でコツコツと買い付けることで、購入タイミングの偏りが小さくなります。いわゆるドルコスト平均法の考え方により、価格変動の影響を受けにくくしやすい点が特徴です。
ドルコスト平均法とは、毎月一定額を継続して購入することで、価格が高いときは少ない口数、安いときは多い口数を自動的に買い付けられる仕組みです。結果として平均購入単価を平準化する効果が期待できます。
運用5年以上:短期のブレに動じにくくなる
5年以上の中長期では、短期の下落局面があっても、回復局面を含めて評価できる期間が増えるため、短期売買よりも結果が安定しやすくなります。
また、得た利益を再投資することで資産が増えやすくなる複利は、運用期間が長いほど効果が出やすい点もポイントです。
運用10年以上:長期投資のメリットが出やすい(ただし将来を保証しない)
一般に、運用期間が長くなるほど短期の値動きの影響が相対的に小さくなり、長期投資のメリットが出やすくなります。金融庁の「つみたてNISA」関連資料でも、長期の積立投資で元本割れリスクが低下しやすいことが示されています。
もちろん「過去の実績は将来を保証しない」という点は念頭に置く必要がありますが、長期・積立・分散という原則を守ることで、リスクを抑えながら資産形成を進めやすくなるのは多くのデータが示す傾向です。
| 運用期間 | ポイント |
|---|---|
| 1年未満 | 短期の値動きで損益が分かれやすい |
| 1〜3年 | 積立の効果が見え始める |
| 5年以上 | 短期のブレに動じにくくなる |
| 10年以上 | 長期投資のメリットが出やすい(将来は保証しない) |
NISAで損している人の割合と3つの共通パターン

アンケート(自己申告)では「プラス」と回答する人が多い一方で、マイナスの人も一定数います。また、調査によっては「損益がわからない」層も含まれるため、単純に「残りは全員損している」とは言い切れません。
ただし、損失につながりやすい行動には共通したパターンが存在します。自分が当てはまっていないかを確認することで、リスクを下げやすくなります。

暴落時に狼狽売りしてしまった
損失を確定してしまう原因として多いのが、暴落時の「狼狽売り(うろたえ売り)」です。
市場が急落すると不安から売却してしまうことがありますが、含み損は売却しない限り確定しません。過去には大きな下落局面の後に回復した例もあり、長期目線の投資では短期の値動きだけで判断しないことが大切です。
「暴落は投資のバーゲンセール」という表現は比喩ですが、少なくとも長期・積立・分散の方針を持つ人にとっては、慌てて手放すよりも方針を崩さないことが重要になります。
運用期間が短すぎる(短期の結果で結論を出す)
損失を出しやすい人の中には、数ヶ月〜1年未満など短期の値動きで「NISAは儲からない」と判断して解約してしまうケースがあります。
投資はあくまで中長期の資産形成ツールです。短期の上げ下げは起こり得る前提で、目標と時間軸を決めて取り組むことが重要です。
NISAの非課税メリットは長期で活かしやすい制度設計です。短期間での解約は、方針次第では非課税枠の活用効率を下げる可能性があります。
高コスト商品や個別株で大きな損失を出した
商品選択のミスも、損失につながる要因です。具体的には以下のようなケースが挙げられます。
- 信託報酬(手数料)が高い投資信託:コストは長期運用で効きやすく、リターンを押し下げる要因になります
- テーマ型・レバレッジ型ファンド:値動きが大きく、下落時の損失が拡大しやすいことがあります
- 個別株の集中投資:一社への集中は銘柄要因で大きく上下するリスクがあります
成長投資枠では個別株の購入も可能ですが、分散が不十分な投資は損失リスクが高まります。特に投資初心者には、分散の効いた商品選びが重要になります。

NISAで儲かった人がやっている5つの習慣

運用がうまくいっている人には、共通する行動が見られます。
これらは特別な知識やスキルを必要とするものではなく、誰でも実践しやすいシンプルな行動が中心です。
毎月同じ金額を淡々と積み立てる
成功している投資家の共通点として多いのが、毎月決まった金額を自動積立に設定し、継続するというスタイルです。
「今月は相場が高そうだから少なくしよう」「今月は下がりそうだから多めにしよう」といった判断を頻繁に入れるより、方針を決めて続ける方が行動が安定しやすくなります。
月3万円でも月1万円でも、金額よりも「継続すること」が大切です。
相場を見すぎず一喜一憂しない
頻繁に資産残高をチェックしすぎると、小さな変動にも一喜一憂しやすく、感情的な判断につながることがあります。
特に積立投資では、確認頻度を抑えて、1年・3年・5年といった長いスパンで評価する習慣が役立ちます。
暴落時こそ慌てて売らない
相場が下落した局面で慌てて売却すると、損失を確定させてしまうことがあります。
生活資金を崩してまで投資するのは禁物ですが、余裕資金の範囲で運用している場合は、方針を崩さず続けることが重要になります。
低コストのインデックスファンドを選ぶ
コスト(信託報酬など)は長期で効きやすい要素です。低コストのインデックスファンドを選ぶことで、コスト負担を抑えやすくなります。
インデックスファンドとは、日経平均株価やS&P500などの指数に連動することを目指す投資信託で、個別銘柄選択のリスクを抑えやすい点が特徴です。
代表的な商品としては「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などが、新NISA利用者に選ばれることが多い商品として知られています。
長期目線で運用する
儲かっている投資家に共通する重要な意識が、長期目線で保有することです。
新NISAの非課税保有期間は無制限です。これは、長期で非課税のメリットを活かしやすい制度設計であることを意味します。
「老後資金のため」「子どもの教育費のため」といった具体的な目標と時間軸を設定すると、短期の値動きに動じにくくなります。
【シミュレーション】あなたの積立額でいくら増える?

「実際に自分の積立額でいくら増えるのか」を具体的な数字で確認することは、モチベーション維持にも効果的です。
以下のシミュレーションは、複利計算(年利を年1回複利と仮定)に基づく試算です。実際の運用成績を保証するものではありません。
月1万円×20年の積立シミュレーション
月1万円という少額でも、長期間継続することで大きな資産を形成できます。
| 年利 | 積立元本(20年) | 最終資産額(概算) |
|---|---|---|
| 3% | 240万円 | 約328万円 |
| 5% | 240万円 | 約411万円 |
| 7% | 240万円 | 約524万円 |
年利7%の場合、元本240万円が524万円まで増える計算になります。非課税で得られるこの利益の差は、NISAを使う大きなメリットの一つです。
月3万円×10年の積立シミュレーション
月3万円を10年積み立てた場合のシミュレーションです。
| 年利 | 積立元本(10年) | 最終資産額(概算) |
|---|---|---|
| 3% | 360万円 | 約419万円 |
| 5% | 360万円 | 約466万円 |
| 7% | 360万円 | 約521万円 |
月3万円×10年でも、年利7%を想定すると約521万円。元本360万円に対して約161万円の利益が期待できます。
年利3%・5%・7%で最終資産額はこう変わる
年利の違いが長期運用の結果にどれほど大きな差を生むかを理解することは重要です。
月5万円を30年積み立てた場合の比較です。
| 年利 | 積立元本 | 最終資産額(概算) | 利益額(概算) |
|---|---|---|---|
| 3% | 1,800万円 | 約2,914万円 | 約1,114万円 |
| 5% | 1,800万円 | 約3,996万円 | 約2,196万円 |
| 7% | 1,800万円 | 約5,670万円 | 約3,870万円 |
年利3%と7%では、30年後の資産額に約2,756万円もの差が生まれます。商品選びやコスト、継続期間が結果に影響しやすいことがわかります。

NISAを始める前に知っておくべき3つの注意点

NISAは有利な税制優遇制度ですが、始める前に正しく理解しておくべき注意点があります。
これらを知らずに始めると、制度の誤解や不必要なリスクにつながる可能性があります。
元本保証ではない|損失リスクはゼロではない
NISAは元本保証の制度ではありません。
非課税になるのは「運用益(利益)」に対してであり、運用商品の価格が下落すれば元本を下回る「元本割れ」が発生します。
銀行預金(預金保険制度で元本1,000万円まで保護)とは根本的に異なる仕組みであることを、必ず理解した上で始めてください。
生活防衛資金を確保してから始める
投資を始める前に確保しておきたいのが「生活防衛資金」です。
急な病気・失業・冠婚葬祭などに備え、一般的に生活費の3〜6ヶ月分を目安に現金を確保してから投資を始めると安心です。
生活防衛資金が不十分な状態で投資を始めると、相場が下落しているタイミングで売却を余儀なくされるリスクがあります。NISAに使うのは余裕資金が鉄則です。
非課税枠1,800万円の仕組みを正しく理解する
新NISAの生涯非課税枠は1,800万円(成長投資枠は最大1,200万円)です。
この枠は「買付金額(簿価)」で管理されており、売却した場合はその分の枠を翌年以降に再利用できます(ただし、買付は年間投資枠の範囲内で行う必要があります)。
参考:新NISAの上限額・限度額は?年間投資枠や成長投資枠について(SBI証券)
この仕組みを理解することで、非課税枠を活かした長期的な資産形成戦略を立てやすくなります。

まとめ:NISAで儲かる側に入るための3つのポイント

本記事では、NISAで利益が出ている人の割合の“傾向”(主にアンケート調査の自己申告)と、その共通点について解説してきました。
最後に、NISAで儲かる側に近づくための3つの最重要ポイントをまとめます。
- 長期継続が最大の武器:短期の値動きに振り回されず、目標年数を決めて続ける
- 暴落時に慌てて売らない:感情的な売買を避け、方針を崩さない
- コストと分散を意識する:低コスト商品や分散投資でリスクを抑えやすくする
NISAは「絶対に儲かる魔法の制度」ではありませんが、非課税メリットを長期で活かしやすい制度です。まずは少額からでも、無理のない範囲で積立を始めてみてください。
参考:新NISAで制度普及加速も効果は一巡(ニッセイ基礎研究所)


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