「NISAでビットコインを買いたい!」と思ったことはありませんか?結論から言うと、現行制度ではNISAでビットコインなどの暗号資産を直接購入することはできません。ただし、NISA枠内で暗号資産市場に間接的に投資する方法や、NISAと暗号資産を賢く組み合わせる考え方はあります。本記事では、NISAと暗号資産の違いを整理しながら、実践しやすい投資戦略をわかりやすく解説します。
【結論】NISAでビットコイン(暗号資産)は購入できない

まず最も重要な結論をお伝えします。NISAでビットコインを含む暗号資産を直接購入することは、現行制度上できません。
NISAは国が設けた少額投資非課税制度であり、対象となる金融商品は法令に基づき、株式や投資信託等(ETF・REITを含む)に限定されています。
そのため、ビットコインや他の暗号資産はNISAの対象商品に含まれず、どの金融機関のNISA口座でも暗号資産を直接買うことはできません。

NISA対象商品は「株式・投資信託等(ETF・REITを含む)」
NISAで購入できる商品は、大きく分けて「上場株式(国内・外国株)」「公募株式投資信託」「ETF(上場投資信託)」「REIT(不動産投資信託)」の4種類です。
2024年から始まった新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が設けられています。
つみたて投資枠では、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(および一定のETF)が対象となり、成長投資枠では上場株式・ETF・REIT・一部の投資信託などを購入できます。
いずれの枠においても、暗号資産(ビットコイン・イーサリアムなど)は対象商品に含まれていません。
- つみたて投資枠:一定の投資信託・ETF(年間120万円まで)
- 成長投資枠:上場株式・ETF・REIT・一部投資信託(年間240万円まで)
- 暗号資産:いずれの枠でも直接購入不可
ビットコインがNISA対象外である3つの理由
ビットコインがNISA対象外となっている背景は、主に以下の3点として整理できます。
- 法的な位置づけの違い:NISAで買えるのは株式や投資信託等(ETF・REIT含む)に限られます。一方、ビットコインは資金決済法上の「暗号資産」として位置づけられており、制度上の取り扱いが異なります。
- 投資家保護の枠組みが異なる:暗号資産は証券会社が扱う有価証券等とは制度設計が異なり、価格変動の大きさに加えて、ハッキング、取引所のシステム障害・破綻、規制変更など特有のリスクが指摘されています。
- NISAの設計(長期・積立・分散)との相性:NISA(特につみたて投資枠)は長期の資産形成を支える設計です。暗号資産は一般に価格変動が大きいため、制度の主目的と比較するとリスク特性が合いにくい、と考えられています。
新NISAでも暗号資産は対象外
2024年1月からスタートした新NISAは、非課税保有限度額の拡大(最大1,800万円)や非課税期間の恒久化など、大幅に拡充された制度です。
しかし、新NISAにおいても暗号資産は依然として対象外です。
「新NISAになれば買えるようになったのでは?」と期待される方も多いですが、2026年時点では従来通り、NISA口座で暗号資産を直接購入できない点に注意が必要です。
NISAとビットコインの根本的な違い

NISAとビットコイン投資を比較する際には、単に「非課税か否か」だけでなく、法的な位置づけ・税制・リスク特性の3つの観点から理解することが重要です。
両者の違いを正確に把握することで、自分の投資目的に合った選択ができるようになります。
法的な位置づけの違い:金融商品取引法 vs 資金決済法
NISAで購入できる株式や投資信託等は、金融商品取引法の枠組みで規制・監督される領域にあります。
一方、ビットコインを含む暗号資産は資金決済法の「暗号資産」として位置づけられ、取引所は「暗号資産交換業者」として金融庁への登録が必要です。
ただし、株式の取引に関わる制度と暗号資産の制度は同一ではありません。たとえば、株式取引では投資者保護基金の枠組みが説明されることがありますが、暗号資産には同じ仕組みが適用されるとは限らず、取引所破綻時の保護は限定的になり得ます。
| 項目 | NISA(株式・投資信託等) | ビットコイン |
|---|---|---|
| 主な根拠法(整理) | 金融商品取引法の枠組み | 資金決済法(暗号資産) |
| 監督官庁 | 金融庁(証券分野) | 金融庁(暗号資産交換業) |
| 投資家保護 | 制度・ルールが整備されている | 制度設計が異なり、保護は限定的になり得る |
| 取扱業者 | 証券会社・銀行等 | 暗号資産交換業者 |
税制の違い:非課税・20.315% vs 最大55%
NISAと暗号資産では、税制面で大きな差があります。この違いを理解することは投資判断において非常に重要です。
NISA口座内の利益は非課税(0%)です。株式の売却益・配当金・投資信託の分配金など、NISA枠内で得た利益には原則として税金がかかりません。
通常の課税口座(特定口座など)での株式投資の場合、利益に対して一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)が課されます。
一方、暗号資産の利益は一般に「雑所得」として総合課税の対象となり、給与所得などと合算して累進税率が適用されます。所得税の最高税率は45%で、住民税10%を合わせると最大55%程度となり得ます(所得状況により税率は変わります)。
なお、暗号資産の利益にかかる税率は「年収」だけで決まるものではなく、控除や他の所得の状況により変動します。目安としては、利益が増えるほど適用される税率(限界税率)が上がりやすい点を押さえておくとよいでしょう。

| 項目 | NISA | 通常口座(株式) | ビットコイン |
|---|---|---|---|
| 利益の種類(代表例) | 譲渡益・配当・分配金 | 譲渡益・配当・分配金 | 雑所得(総合課税) |
| 税率 | 0%(非課税) | 20.315%(申告分離課税) | 所得により変動(最大55%程度) |
| 損益通算 | 不可 | 株式等の範囲で可能 | 原則として給与等と損益通算不可 |
| 損失繰越 | 不可 | 3年間繰越可能 | 原則不可 |
リスク特性の違い:長期積立 vs 高ボラティリティ
NISAで購入できる投資信託(特につみたて投資枠)は、分散投資・長期積立に適した商品が中心です。
全世界株式インデックスファンドなどは、長期での資産形成を目的として利用されることが多く、暗号資産と比べると価格変動は相対的に抑えられる傾向があります(ただし元本割れの可能性はあります)。
一方、ビットコインはボラティリティ(価格変動の大きさ)が大きいことで知られます。短期間で大きく上がることもあれば、大きく下がることもあり、資産配分は慎重に考える必要があります。
投資目的と許容できるリスクに応じて、両者を組み合わせることが賢明な選択肢となります。
NISAでビットコインに間接投資する3つの方法

直接的にビットコインをNISAで買うことはできませんが、NISA枠を活用して暗号資産市場の成長に間接的に投資する方法はあります。
以下の3つの方法を活用することで、NISAの非課税メリットを活かしながら、暗号資産関連の成長に“近いテーマ”へ投資することが可能です。
ブロックチェーン関連の投資信託・ETF
最も手軽な間接投資の方法が、ブロックチェーン関連の投資信託やETFを成長投資枠で検討することです。
これらのファンドはブロックチェーン技術を活用する企業群に分散投資するもので、直接ビットコインを保有するわけではありませんが、関連分野の成長を取り込みやすい設計になっています。
代表例として「インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド」など、ブロックチェーン関連企業を組み入れる投資信託があります。ただし、NISA(成長投資枠)の対象かどうかは“銘柄”と“販売会社(証券会社)”の表示で確認が必要です。購入前に各証券会社の銘柄ページで「成長投資枠 対象」などの表示を必ず確認しましょう。
また、証券会社によっては暗号資産関連テーマの投資信託を取り扱っている場合がありますが、NISA対象可否は商品ごとに異なります。
- ブロックチェーン関連の投資信託(例:ブロックチェーン関連株式を組み入れるファンド)
- 暗号資産関連テーマの投資信託(取り扱い・NISA対象可否は各社で要確認)
暗号資産関連株(コインベース・マイクロストラテジーなど)
成長投資枠では、米国上場の暗号資産関連株式を個別に購入できる場合があります(取り扱いは証券会社によります)。
コインベース(Coinbase Global)は暗号資産取引所を運営する上場企業で、暗号資産市況に業績や株価が影響を受けやすい傾向があります。
マイクロストラテジー(MicroStrategy)はビットコイン保有額が多いことで知られ、ビットコイン価格の変動に連動しやすい銘柄として注目されることがあります。
これらをNISA口座で購入できる場合、売却益はNISAのルールに基づき非課税となります。ただし、購入可否・NISA対象可否は各証券会社の取り扱いと表示で必ず確認してください。
- コインベース(COIN):暗号資産関連サービスの上場企業
- マイクロストラテジー(MSTR):ビットコイン保有額が大きいことで知られる
- ブロック(SQ):決済・関連サービスを展開
- ロビンフッド(HOOD):投資サービスの一部で暗号資産取引を提供
マイニング企業・取引所運営企業の株式
ビットコインのマイニング(採掘)を行う企業の株式も、NISA口座で購入できる場合がある間接投資の選択肢です(取り扱いは証券会社によります)。
マラソンデジタル(MARA)やライオットプラットフォームズ(RIOT)などのマイニング企業は、暗号資産市況の影響を受けやすく、値動きが大きくなることがあります。
日本国内では、暗号資産ビジネスを展開する企業の株式(例:グループ会社が暗号資産関連事業を運営する企業など)を東証で買える場合もあり、これも間接投資の一つになり得ます。

間接投資の限界とリスクを理解する
間接投資には暗号資産の直接保有にはないメリットがある一方で、いくつかの限界とリスクも存在します。
限界①:ビットコイン価格との乖離
ブロックチェーン関連ファンドや暗号資産関連株は、ビットコイン価格と完全に連動するわけではありません。企業固有のリスク(業績悪化・規制・訴訟・希薄化など)が株価に影響することがあります。
限界②:上昇率が直接保有より低い場合がある
暗号資産が急騰しても、関連株や関連ファンドの値動きは同じにならないことがあります。テーマ投資としての性格を理解しておくことが大切です。
限界③:信託報酬などのコスト
投資信託・ETFには信託報酬などのコストがかかります。長期保有ではコストの影響が積み上がる点も考慮が必要です。
これらを理解した上で、間接投資は「NISAの非課税メリット+関連分野への投資」を組み合わせる現実的な手段として活用するのがよいでしょう。
NISAと暗号資産を併用する賢い投資戦略

NISAと暗号資産投資はそれぞれ異なる特性を持ちますが、うまく組み合わせることで安定性と成長性を両立したポートフォリオを構築できます。
以下では、具体的な戦略と実践的な資産配分の考え方を解説します。

基本戦略:NISA枠をフル活用+余剰資金で暗号資産
基本的な考え方は、まずNISA枠を最大限活用し、それ以上の余剰資金があれば暗号資産への投資を検討するという優先順位です。
NISAは非課税という確実なメリットがある制度のため、まず年間投資上限(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=最大360万円)の活用を優先するべきです。
NISAの枠を使い切った後、もしくは生活防衛資金(生活費6ヶ月分など)を確保した上で、余剰資金の一部を暗号資産に充てるというアプローチが堅実です。
この戦略の利点は、NISA部分が長期的な資産形成の土台となり、暗号資産部分は高リスク・高リターンの「成長ブースター」として機能する点です。
なお、暗号資産投資は「失っても生活に支障がない金額」に留めることが鉄則です。価格が大きく下落しても耐えられる範囲での投資を心がけましょう。
ポートフォリオ例:暗号資産は全体の5〜10%が目安
暗号資産の資産配分は、リスクの大きさを踏まえて投資資産全体の5〜10%程度を目安として紹介されることが多いです。
これは暗号資産の値動きが大きいことを前提に、全体への影響を限定しやすい水準として考えられます。
投資資産300万円の場合のポートフォリオ例:
- NISA(全世界株式インデックス):210万円(70%)
- NISA(国内外債券・REIT):60万円(20%)
- ビットコイン・暗号資産:30万円(10%)
暗号資産の割合は年齢・リスク許容度・投資目的によって調整が必要です。資産保全を重視する場合は低め、リスクを取れる場合はやや高めにするなど、無理のない範囲で設計しましょう。
また、定期的にリバランス(資産配分の見直し)を行い、価格変動によってポートフォリオ内の比率が偏りすぎないよう管理することも重要です。
暗号資産投資を始める3ステップ
NISAを活用しながら暗号資産投資を始める手順を3ステップで説明します。
- ステップ1:暗号資産交換業者の口座開設
金融庁に登録された国内の暗号資産交換業者で口座を開設します。本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証など)が必要です。 - ステップ2:入金と購入
日本円を入金し、暗号資産を購入します。少額から積立購入(ドルコスト平均法)を活用すると、価格変動リスクを分散しやすくなります。 - ステップ3:税務管理の準備
暗号資産の利益は課税対象となり、状況により確定申告が必要です。取引履歴を整理して、年末に損益計算できるよう準備しておきましょう(申告要否は個別事情で変わります)。
日本でビットコインETFは承認される?最新動向を解説

将来的にビットコインETFが日本でも承認され、NISAの対象商品になる可能性はあるのでしょうか。
海外動向と国内議論を踏まえ、現状を整理します。
米国ではビットコイン現物ETFが承認済み
2024年1月、米国ではビットコインの価格に連動する現物型ETF(現物連動型の上場商品)が承認され、証券口座で売買できる環境が広がりました。
これにより、一般投資家が株式と同様の感覚で暗号資産に“近い商品”へ投資しやすくなり、市場の注目度も高まりました。
また、イーサリアムについても、米国で上場商品が承認・取引開始へ進んだ事例があり、暗号資産関連商品の整備は世界的に進んでいます。
日本での承認見通しと金融庁の姿勢
日本では、暗号資産ETFを国内で上場・販売する場合の制度面の論点(商品性・投資家保護・税制・販売体制など)があり、現時点では一般に「すぐにNISAで買える」という状況にはなっていません。
金融庁は暗号資産に関する制度整備を進めており、業界団体からの要望も踏まえて研究・検討が続いています。
ただし、国内でビットコインETFが承認・上場され、さらにNISAの対象商品として整理されるまでには複数のハードルがあるため、時期は不透明です(2026年時点)。
暗号資産の税制改正(分離課税化)の議論状況
暗号資産業界および投資家の間では、暗号資産の利益に対して株式と同様の20.315%の申告分離課税を適用すべきという要望が続いています。
現状では総合課税(雑所得)となるケースが多く、税負担が重くなりやすい点が投資上の論点です。税制改正を求める意見は業界団体などから継続的に出されています。
分離課税化が実現すれば、税負担の見通しが立てやすくなり、将来的な商品設計や制度整備の議論にも影響を与える可能性があります。
NISAとビットコインに関するよくある質問

NISAとビットコインに関して多く寄せられる疑問にお答えします。
つみたてNISAでビットコインは買えますか?
Q. つみたてNISA(現:新NISAつみたて投資枠)でビットコインは買えますか?
A: 買えません。つみたて投資枠は一定の投資信託・ETFが対象で、暗号資産は対象外です。
新NISAの成長投資枠でも暗号資産は対象外ですか?
Q. 新NISAの成長投資枠(年間240万円)でもビットコインは買えないのですか?
A: はい、成長投資枠でも暗号資産を直接購入することはできません。ただし、暗号資産関連の上場株式やブロックチェーン関連の投資信託等は、成長投資枠の対象になっている場合があります(銘柄・証券会社で要確認)。
将来NISAでビットコインが買えるようになる可能性は?
Q. 将来的にNISAでビットコインが購入できるようになる可能性はありますか?
A: 可能性はゼロではありませんが、制度・税制・商品設計の整理が必要で、2026年時点では具体的な時期は不透明です。
ビットコインの利益にかかる税金はいくらですか?
Q. ビットコインで利益が出た場合、税金はどのくらいかかりますか?
A: 暗号資産の利益は一般に「雑所得」として他の所得と合算し、累進課税が適用されます。税率は所得状況により変わり、住民税10%を含めると最大55%程度になる場合があります。確定申告が必要かどうかも個別事情で変わるため、不安な場合は税理士等に確認しましょう。
NISAと暗号資産、どちらを優先すべきですか?
Q. NISAと暗号資産投資、どちらを先に始めるべきでしょうか?
A: 一般的にはNISAを優先する考え方が堅実です。暗号資産は高リターンの可能性がある一方、値動きが大きく税負担も重くなりやすい点に注意が必要です。まずNISAで土台を作り、余剰資金で暗号資産を検討するのが無理のない順序です。
まとめ:NISAと暗号資産それぞれの強みを活かそう

NISAとビットコイン(暗号資産)はそれぞれ異なる特性を持つ投資手段です。
NISAは税制優遇を活かした長期の資産形成の基盤として有力であり、暗号資産は値動きが大きい一方で成長余地も期待される補完的な資産として位置づけるのが現実的です。
両者を対立関係ではなく、役割の異なるパートナーとして組み合わせることで、より強固な資産ポートフォリオが構築できます。
本記事のポイント
- NISAでビットコインは直接購入できない:現行制度では暗号資産はNISA対象外。新NISAでも同様。
- 税制の違いが大きい:暗号資産の利益は総合課税(雑所得)となるケースが多く、所得状況により税率が変動。NISAは非課税。
- 間接投資という選択肢がある:ブロックチェーン関連ファンドや暗号資産関連株が、成長投資枠の対象になっている場合がある(銘柄・証券会社で要確認)。
- 併用戦略が有効:NISA枠を優先活用し、余剰資金で暗号資産(全体の5〜10%程度を目安に検討)。
- 将来の制度変更に注目:暗号資産の制度・税制見直しの議論は継続している。
あなたの状況別・次のアクション
▶ まだNISA口座を持っていない方
まずは証券会社で新NISA口座を開設し、つみたて投資枠でインデックスファンドの積立から始めるのが王道です。
▶ NISA口座はあるが暗号資産も気になる方
まずはNISAの活用(最大360万円/年)を優先し、生活防衛資金を確保した上で、余剰資金の範囲内で暗号資産を少額から検討しましょう。
▶ NISA枠内で暗号資産関連に投資したい方
成長投資枠でブロックチェーン関連の投資信託・ETFや暗号資産関連株を検討できます。ただしNISA対象かどうかは銘柄・販売会社で異なるため、各証券会社の銘柄ページで「成長投資枠対象」の表示を必ず確認してください。
どのような状況でも、投資は自己責任で行い、余裕資金の範囲内で無理のない金額から始めることが大切です。


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